先日、消費税法違反容疑で名古屋市の宝飾品販売会社の前代表取締役社長が逮捕されたというニュースを目にしました。

この社長は一本数百万~数千万円の高級腕時計を香港に輸出したように装って、消費税約85千万円の不正な還付を受けていたとのことです。

消費税は原則として、預かった消費税から支払った消費税を引いて納付する仕組みになっていますが、もし預かった消費税より支払った消費税が多ければ還付になります。

輸出売上については輸出免税取引となり、少し専門的な話になってしまいますが、消費税法上、課税取引にはなりますが実際には消費税を預からない取引となるため、輸出取引の多い会社は、預かった消費税よりも支払った消費税の方が多くなる場合が多く、消費税が還付されるケースがあります。

還付は国からお金が支払われることになるので、税務署の目も厳しく、輸出業を行っていて還付を受ける会社は定期的に税務調査が入ることが多いです。

今回の事件ではこの制度を悪用して還付を受けていたようで、この事件の他にも同じような手口で多数の余罪があるようです。

今回のケースでも一度還付は行われているはずなので、今回の85千万円もの還付額が回収できるのかが気になります。

税理士事務所の職員としては真面目に納税をしている会社が損をしないように、税務署には徹底的に調査、回収をしてほしいと思います。